すべてのビジネスパーソンにおいて、デジタルトランスフォーメーション(以下DX)を学ぶことは、単なる知識習得にとどまらず、組織や個人にとって実践的・戦略的な変革の第一歩となります。
DXに関する情報は書籍・WEBサイト・SNSなどにあふれていますが、平面的で断片的な知識になりがちです。
講演会や研修では、「なぜDXが必要なのか」「DXとIT化の違い」「どのようにDX化を進めるのか」 といった本質的な問いに対して、専門家から体系的かつ論理的に学ぶことができます。
また企業が実際にどのようにDX化を進めているのか、リアルな最新事例で学ぶことにより、理論と現実のギャップを埋めることが可能です。
当社によるDXに関する講演会・研修の事例は以下のとおりです。
事例1

講師:西脇資哲氏(日本マイクロソフト株式会社 エバンジェリスト)
ECサイト運営も運営する中古車販売企業において、DXをテーマにした研修会が開催されました。社員一人ひとりが生成AIをどのように活用できるかを学ぶとともに、個々のDX力を高めるための具体的なアプローチが紹介されました。また、業務効率化を意識したDXの進め方についても解説があり、日々の業務にどう取り入れていくかのヒントが数多く提示されました。全社的なデジタル活用の底上げを推進するための有意義な機会となりました。
事例2

講師:尾谷昌彦氏(デジタル化推進プロデューサー)
九州に本社を構える木材関連企業においてDXについての研修が行われ、その後もコンサルティング形式でフォローが継続しました。長年続いてきた昔ながらの業務の進め方を見直すため、社内に改善プロジェクトを立ち上げました。具体的には、業務の進捗を社内でスムーズに共有できるよう、日報の提出を紙からデジタルに移行した取り組みを実施しました。また、すべての社員が新しいデジタルツールを使いこなせるよう、丁寧なサポートを行いました。社内のDXによる変革に向けた一歩を着実に進める結果となりました。
その他、「老舗企業のDXと組織風土改革」というテーマでお客様に研修を行ったところ、大変喜ばれた事例があります。
今まで長年培ってきた職人技やノウハウをデータとして残すことは企業が存続する大切な財産といえます。
効率化や生産性の向上だけがDXの目的ではありません。
企業・組織が大切にしてきた伝統文化や企業文化を大切にしながら、後世に伝えることはDXができる大きな成果ともいえます。
実際に若い社員が「早く育つ」「定着率が上がる」と言われていますが、そこには小さなプロジェクトから進めていくのが、成功の秘訣といえます。
そして、何より「世代間の橋渡し役」を講師にお願いすることで、「アナログ世代」と「デジタルネイティブ世代」を歩み寄る場を作ることができます。
DXや組織風土改革は一度では終わりません、変化することが当たり前の組織を目指すことが大切です。
本記事では中小企業の社員向けに、DXをテーマとした講演会・研修を開催するにあたって成功に導くポイントを分かりやすく解説します。
1. 中小企業の社員向けにDXをテーマにした講演会・研修を行うメリット
1-1. DX化が遅れることへの社員の「危機感」と取り組みへの「納得感」を同時に育てられる
多くの社員にとってDXは抽象的で、自分事になりにくいテーマです。
講演会・研修を通して、「なぜ今、DXが求められているのか」「他社はどのように変化しているか」 といった背景や業界トレンドを共有することで、変革の必要性に対する納得感が生まれます。
また第三者の専門家からDXについての「時代の変化」や「競合の取り組み」が語られると、「変わらなければ淘汰される」という、より現実的な危機感として響きます。
1-2. DXについての社員の抵抗感・アレルギーを軽減できる
DXに対して抵抗感を持つ社員の多くは、「自分は機械音痴」「今までのやり方で十分」「現場にデジタルは合わない」と感じています。
講演会や研修を通じて、「小さな改善も立派なDX」「現場発の気づきや工夫が鍵になる」といったメッセージが伝わることで、心理的なハードルを下げられます。
つまり「ITに弱い=DXに向いてない」という誤解を解いてあげることが出来るのです。
また体験型の研修を行うことにより、「できるかも」という自信が生まれることがあります。
たとえば、実際にGoogleの無料ツールを触ってみる、AIチャットボットを試してみるなど、体験を通じてDXを実感することは意識を大きく変える効果があります。
1-3. 社内に「DX推進の種」をまくことができる
講演会や研修の場で、社員自身が「自分の仕事で使えそう」と思うことができれば、日々の業務の中で自然と改善の目線が生まれます。
DXを学ぶことで「自発的な提案・改善」が生まれる土壌をつくることが可能です。
また講演会や研修後に、積極的に質問したり、感想を共有したりする社員は、将来的なDXプロジェクトのリーダー候補になり、DX推進の核となる人材を発掘できます。
1-4. 経営陣と現場社員の意識のギャップを埋める機会になる
経営層が「社内のDXを推進せよ!」と言っても、現場の社員はピンとこないことが多いのです。
しかし、講演会や研修で社内全体がDXに関する同じ課題や解決のためのアイディアを共有することで、組織内の温度差を縮めることができます。
そしてDXがトップダウンではなく社内の共通言語になります。
ワークショップ形式や質疑応答の時間を設けることで、「現場の声」と「経営側の期待」のすり合わせができ、風通しのよいコミュニケーションのきっかけになります。
2. 中小企業向けDX講演会プログラム例
中小企業向けに特化したDX講演会のプログラム例を「90分構成+質疑応答あり」のスタイルでご案内します。
ターゲットは経営層~現場の管理職・一般社員までを含む全社向け講演会を想定しており、DX初心者にもわかりやすく、かつ実務に活かせる内容で設計しています
オープニング・ご挨拶(10分)
・主催者・経営層からの趣旨説明(「なぜ今DXなのか」「DXが現場を劇的に変える」)
・講師の紹介・講演の目的共有
※ここで「DXは現場も大いに関係ある話」と伝えると参加者の集中力が上がります。
第1部|そもそもDXとは何か?取り組むメリットについて(25分)
・デジタイゼーション/デジタライゼーション/DXの違い
・単なるIT化とDXの違い
・中小企業こそDXが必要な理由
・DXが進まない企業の共通点
※ 専門用語は少なく、「身近な話題(FAX・紙業務・郵送物など)」から入ると効果的です。
第2部|他社のDX成功事例に学ぶ(25分)
・同業種・近しい規模の中小企業によるDX成功事例(3例)
例1:RPA導入で作業時間を月50時間削減、残業ゼロに
例2:クラウド管理で営業効率化、売り上げは前年比30%アップ
例3:LINE公式アカウントによる来店予約の自動化
・成功の共通ポイントと「最初の一歩」
第3部|まずは現場で始められる“小さなDX”から(20分)
・今日から実践できるDXのヒント(Googleフォーム・AIチャット・クラウド管理など)
・「紙」「Excel」「口頭」の業務をどう変えるか
・社員発信のアイディアで進めるボトムアップ型DXのすすめ
※ 実際の無料ツールやデモ画面を見せると参加者の反応が良くなります。
第4部|質疑応答・ディスカッション(15分)
・事前にアンケートで集めた質問に回答
・会場・オンラインチャットからの質問にリアルタイムで回答
※ 時間内に回答しきれない場合は、後日メールで回答するなど、すべての質問に回答しましょう。
クロージング・まとめ(10分)
・社内のDX推進における「マインド」と「行動」について
・経営層からの今後の方針を共有
・参加者へのアクションの呼びかけ(例:「社内DXアイディア目安箱制度」)
3. 中小企業の現場社員向けDX研修のプログラム例
単発で講演会を行うだけだと、「良い話を聞いた」と感じるだけで、次の行動に結びつかないことがあります。
ここでは現場社員が負担なく研修として参加でき、「納得・気づき・行動につながるDX研修設計案」について、ワークショップ形式を含む半日コース(3時間)の例としてご案内します。
ITアレルギーや「DXは自分に関係ない」と感じている人でも入りやすい構成にし、スライド+実演+ワークショップで受け身にならないように工夫しています。
オープニング・アイスブレイク(15分)
・講師より研修の目的・進め方を説明
・参加者より簡単な自己紹介:「普段どんな仕事をしていますか?」
・「DXって聞いたことありますか?」を挙手の機会に
※ DXに“詳しい人”も“初めての人”も、居心地よく学べる雰囲気づくりが重要。
セッション1:DXとは?取り組むメリットについて(30分)
・DXとIT化の違い
・なぜ今、中小企業こそDX化が必要なのか
・DXの成功は“現場起点”から始まることについて解説
・形式:スライド講義+「いま現場で不便に思っていることを1つ挙げる」小ワーク
※ 講師が「皆さんの不便やムダこそ、DXの出発点です」と語ると効果的です。
セッション2:DX成功事例・ツール紹介(30分)
・内容例(あまり広げ過ぎず、業務改善をテーマに)
例1:LINEで在庫確認・シフト調整を自動化
例2:Googleフォームで総務・人事・経理への申請書をペーパーレス化
例3:AIチャットボットや解説動画で社内マニュアル対応の削減
・実演:スマホ1台でできるDXツールをライブで紹介(ChatGPT、Geminiなど)
※ スマホやPCを使って、まずは無料のものから「これは自分たちにもできそう」と思わせるのがポイントです。
セッション3:ワークショップ(60分)
テーマ例:「自分の仕事で、DX化できそうなことを考えよう」
ステップ1:個人でふりかえり(10分)
→「最近面倒と感じている業務は?」「紙・手作業・人海戦術の仕事は?」
ステップ2:グループで共有(20分)
→ テーブルごとに3〜4人で対話
ステップ3:解決のためのアイディアを考える(20分)
→ 「こうすれば楽になるのでは?」を付箋に書き出す
ステップ4:発表とフィードバック(10分)
→ 全体で3〜4グループ発表。講師が講評
※「すぐに出来そうなこと」がいくつも出てくることで、“行動に移したくなる空気”が生まれます。
クロージング(15分)
・「明日からやる1つのこと」宣言カード記入
・講師より「DXは皆さん一人一人の最初の1歩から」というメッセージ
・経営層から、今後の取り組み方針について1分スピーチ
・研修後アンケートを実施、課題把握と次の一歩設計の参考に
以上、この研修が生み出す効果として、「自分にも関係ある」と認識が変わり、「なんだ、意外と簡単」「楽しそう」と思えて抵抗感が払しょくされます。
また日常業務の中で「小さな改善」を始めるようになり、継続的な社内改善・デジタル化の起爆剤になることでしょう。
【講師セレクト】ではDXをテーマにした講演会の講師の手配につきまして、多数の実績があります。
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